FISワールドカップ苗場大会 観戦記
2月22~23日に開催された、FISアルペンスキーワールドカップ2020 にいがた湯沢苗場大会を観戦してきました。
2月22日(土)
初日の種目は男子GS。
新型コロナウィルスによる感染拡大が懸念される中での開催となりました。観戦エリア入り口では、入場する観客に対し手のアルコール消毒への協力を呼びかけるなど、対策が取られていました。

この日の午前中は晴天が広がり気温も上昇、当初締まっていたバーンも時間と共に緩みました。スタート順が結果に大きな影響を与えるコンディションと言えそうです。

2本目を行う午後には天候が悪化。パラパラと雨がチラつきました。
結果は、クロアチアのフィリップ・ズブチッチが初優勝。クロアチア勢がGSで優勝するのも史上初だったようです。
2位にはスイスのマルコ・オーデルマット、3位にはアメリカのトミー・フォードが続きました。

ヒルシャーが引退した今季の総合優勝候補であるヘンリック・クリストッファーセンは1本目で2位に約1.5秒差をつけての1位を奪ったものの、2本目で失速し5位。4年前の苗場大会のGS優勝者アレクシ・パンテュローは15位。今季はGSに専念し、今季限りでの引退も匂わせているテッド・リゲティは11位。
ヨーロッパではなじみが無いであろう柔らかい雪質のためか、波乱の順位となりました。
日本人選手は残念ながら全員2本目に進むことはできませんでした。
競技終了後には雨脚が強まったこともあり、観戦後は滑らずに宿へと撤収しました。

2月23日(日)
2日目は男子SL。
雨は夜半に雪に変わり、競技開始前の苗場はそれに強風も加わって冬の嵐の様相。お隣かぐらを始め各地のスキー場では強風によるリフト運休、それに伴う混雑と混乱が起きていたようです。

バーンコンディションそのものは、昨日の雨が固まってワールドカップにふさわしいガチガチのアイスバーンに仕上がっていたようですが、視界不良での競技強行は怪我人続出となりかねません。
競技開催にはジュリーによる慎重な判断が求められるため、競技開始予定の10時から、10時15分、11時30分と段階的に延期が発表されました。

11時30分頃には一時的に吹雪が収まり、12時の競技開始が発表されたものの、その頃には再び荒れ模様に。
最終的に、12時30分に競技キャンセルが発表されました。
競技が行えなかったことは観客にとってはもちろん、選手や主催者にとっても無念だったことでしょう。
スタッフの中でも最も肉体を酷使したであろうコース整備クルー。朝5時(!)からキャンセル発表まで懸命にコースを維持し続けた彼らには、惜しみのない拍手が送られました。

最後に、リラックスした様子の選手(誰かまでは判別できませんでした)が数名、見事な滑りで撤収中のコースを滑り降りて来ました。彼らの粋な「ファンサービス」にも会場は大いに盛り上がりました。
余談
GSで、ゴールエリアから選手の姿が最初に目に入ってくるあたりの斜面を実況・解説(岡部哲也氏)がずっと「大斜面」と呼び続けていましたが、あそこは正しくは男子リーゼンスラロームコースです。大斜面はもっと上で、ゴールエリアからは見えません。「苗場ファン」の人は心の中でツッコミを入れていたことでしょう。というか大会実行委員副会長の皆川賢太郎氏(まさに苗場で育ったローカル中のローカル)は気にならなかったんでしょうか(笑)
なおこの間違いは4年前の苗場大会でも起きていました…。
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