初訪問・さかえ倶楽部で快適に過ごした2日間
平日の尾瀬岩鞍で滑り終えたその足で、前々から気になっていたゲレンデ、長野県栄村にあるさかえ倶楽部スキー場に初訪問を果たしに行きました。
岩鞍で滑り終えた金曜の夜、上毛高原から越後湯沢まで1駅だけ新幹線に乗り、越後湯沢でレンタカーを借りて現地入りします。金曜夜の栄村は雨。翌日の天候予報も芳しくなく、文字通り雲行きが危ぶまれました。
3月16日(土)
目覚めてみると、雨ではなく雪が降っていました。栄村の中心地、森宮野原駅前にある宿からスキー場に移動し、準備を整えている間に降りが激しくなりました。

雪面のコンディションは悪くなく、ガスが立ち込めているというわけでもないのですが、光の加減で雪面がどこにあるのかほとんど見えない状態。微妙なうねりや斜度変化に対応するのが困難な「初見殺し」のゲレンデと化していました。

少し時間が経つとようやく光が差してきて滑りやすくなりました。と同時に多少雲も取れ、「日本一の河岸段丘」を謳う千曲川右岸の地形が見えるようになりました。

さかえ倶楽部 斜面紹介
ここでさかえ倶楽部の斜面構成を紹介します(写真はいずれも翌日のもの)。
ゲレンデは大きく上部と下部に分かれています。
第2ペアリフトが架かる上部ゲレンデには4本の斜面があり、中級が3本、上級が1本。
下から見て左側、しらかばコース。上部ゲレンデ4本のうちでは一番易しく、適度なカーブやうねりがあります。

真ん中のいがぐりコースは、リフト脇を直線的に降りてくるため斜度があり、幅も狭いためやや難易度が高め。

下から見て右側オリオンコースは、幅が広く斜度も適度で快適。

オリオンコースから分岐するまむしコースは非圧雪の上級コースですが、この日は単なる荒れ地と化していました。

ゲレンデ下部は、くまのすコースとおおわしコース、それに最下部の初級者コースであるファミリーコースを軸として構成され、それを補完するいくつかのコースがあります。
くまのすコースは、中級とされていますが上級なみの斜度があります。イメージとしては、奥志賀のエキスパートコースを短くしたような感じ。幅も広く高速大回りが楽しめます。

くまのすコースの途中からは初級のすぎのきコースが分岐。第1ペアリフト乗り場手前で再び合流します。

おおわしコースは、非圧雪コースとされているもののこの日は圧雪が入っていました。幅の狭い急斜面ですが、途中で何度か迂回コースがコースを横断するため、一気に滑ることは難しいです。

くまのすコースやおおわしコースを滑るのが難しい初級者は、迂回林間コースであるかもしかコースを利用することで下山できます。
ファミリーコースは、そこだけを回せるリフト(第3ペアリフト)が架かっています。ただしこのリフトは平日運休となるので、平日のさかえ倶楽部は初心者にはやや厳しいスキー場となるかもしれません。ファミリーコースにはビギナー向けの緩斜面の他、ウェーブやパークもあります。

中級者以上にとって最も滑走充実感を得られるのは、オリオンコースとくまのすコースを繋いで滑走するルート取りでしょう。リフト2本の乗り継ぎが必要なので機動性が良いとは言い難いですが、無駄な平坦部分がほとんど無いダウンヒルランは相当な滑りがいをもたらしてくれます。もちろんそれぞれを単独で回すのも良いです。
またこのスキー場は新雪滑走に定評があり、深雪のある状況ではまた違った魅力を見せることでしょう。特にゲレンデ上部は地形がオープンであり、縦横無尽なパウダーランができそうです。

さて、午後に入り天候が回復してきたのはいいのですが、それと同時に強烈なストップ雪となってしまいました。高速で滑ると思い切りつんのめり、身の危険を感じるほどだったので、13時頃には撤収、一旦入浴と食事を済ませ、この後に控えるイベントに備えます。
さかえ雪ん子まつり
土曜日の午後から夜にかけてはスキー場の一角で「さかえ雪ん子まつり」が開催されたので見学しました。開始前には雨が降っていたのですが、ちょうど祭りが始まる頃に降り止みました。

各種出店やダンス、松明滑走や花火といった「定番」の出し物も楽しめましたが、今回はこれらの他に信州プロレスが雪上マッチと銘打った興行を開催しており、これがまた最高。文字通り冷たく固い雪でできたリング(もちろんマットなど敷かれない!)で戦うので、ダウンするごとに体が真っ赤になっていくというまさに体を張った戦い。ゲストには人気女子レスラーの志田光選手も迎え、とても華のある試合を楽しませてもらいました。

出店は数が多く、村外どころか県境を超えて新潟県の津南町からも出店があったとのこと。花火は玉数こそ少なかったものの、打ち上げ場所がわずか100m程度しか離れていない至近距離だったため大迫力でした。
失礼ながら、正直なところこれだけの活気あるイベントになるとは始まる前には思っていなかったのですが、村全体が一丸となって(村長さんも出席していました)盛り上げようという「本気」が伺えるイベントでした。
さかえ雪ん子まつりギャラリー
3月17日(日)
朝は晴れ。滑っているうちに次第に雲が広がりましたが、この時期としては望外の好コンディションとなりました。
リフト運転開始と同時に山頂まで上がると、昨日はほとんど見えなかった遠方、苗場山・鳥甲山・野沢温泉スキー場のある小毛無山などが望めました。

朝一のゲレンデは固く締まっており、シュプールも残らないほどのハードパック。さすがに時間とともに緩んできますが、滑走者が極めて少ないため荒れることは無く、ストレスの無い滑走ができました。

そして驚いたのは、下部くまのすコースの雪質。標高が低いのでザラメ雪となったのですが、これがまた信じられないぐらい滑りやすい極上のザラメ。スキーで押しのけると抵抗なくサーッと流れて、板と体を優しく受け止めてくれます。ほとんどパウダースノーを滑っているのと変わらず、下手な雪質の新雪よりも滑りやすい。これには本当に驚きました。

やがて雪が降り始めたので、心引かれつつも14時30分頃に撤収しました。
さかえ倶楽部の感想
ローカルスキー場ながら非常に高いポテンシャルを持つという評判は、偽りないものだと確認できました。今回は季節柄深雪はありませんでしたが、オープンな地形から深雪時の滑走充実度も相当なものであろうことは想像できました。圧雪が入るコースも、中級者以上が満足できる斜面が充実しており、2日間滑っても飽きるということがありません。
スタッフの方々のおもてなしも気持ちがいいもので、またゲレ食も水準を上回るレベルだと感じました。
唯一残念なのは、公共交通機関でのアクセスに難があることで、スキー場へ直接乗り入れるバスは無く、それは宿の送迎に頼るとしても、栄村中心部の森宮野原駅にたどり着くのはどんなに早く都心を出ても11時台となってしまいます。
この点さえ改善されれば、新たなホームゲレンデとして通うこともやぶさかではないと言えるほどのゲレンデでした。
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