「弓なり」のシルエットは横ではなく前への曲げで形成されるのかもしれない
以下はすべて仮説です。
体の、ターン外側のラインがアーチ状になったシルエット。よく「弓なり」などと呼ばれたりするシルエットだが、人間というのはアーチ曲線に本能的に美しさを感じるもののようで、このシルエットが出せると検定とかでは良い評価が狙えたりする。
そのため、このシルエットを出そうと頑張っている人も多いが、実は体を「横方向」に曲げようと考えても、なかなかこのシルエットにならなかったりする。
なぜかというと、人体の構造上、脚部というのは横方向にほとんど曲がらないからだ。脚部の中央にある膝関節の横方向(外転・内転)の可動域は非常に狭いし、上腿・下腿の骨は脊椎(背骨)のように節構造にはなっていないので、途中で曲げることもできない。
なので、どんなに横方向に曲げようと頑張っても、このような、上半身だけがアーチで、下半身は直線状というシルエットになってしまう。
全身をアーチに見せるにはどうしたらよいか。それには、「横」ではなく「前」への曲げを使うという方法がある。
具体的には、外股関節を内旋させる。そうすると自然と膝が屈曲し、膝頭が前に出る。この状態を前方から平面投影して見ると、横方向に曲がっているかのように見えるというわけだ。外脚のみだと内脚がまっすぐなままでイマイチ美しくないので、慣れてきたら内股関節を外旋することで両脚を同調させる。
こんな感じに見えるはずだ。
このように、たとえカービングターンであっても股関節の回旋動作を取り入れることにより、全身を使った弓なりシルエットが出せる。見た目が良いだけでなく、角付けが一段階深まり、重心位置も若干低くなるので、スキーをより大きくたわませる余地が出るという効果もある。関節への負担は高まるので状況を見極めることが必要だが、より強くエッジングをしたいという場合には使っていきたい運動だ。
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