そもそもなぜX脚だとよくないのか
そもそもスキーにおいてなぜX脚だと良くないのか。
ここではとりあえず「見た目」の問題は置いておく。
見た目以外でX脚が引き起こす問題点は、今のところ次のようなことだと考えている。
以下はすべて仮説です。
脚という物体を、上半身の重さをスキー板に伝達するための構造材として捉えた場合、X脚というのは「湾曲した、または折れ曲がった部材」ということになる。
上半身の重さという力の「起点」を股関節、「終点」を足裏とした場合、脚が真っ直ぐな形状であれば、力(上半身の重さ)は全て「圧縮力」として作用する。
脚にかかった圧縮力は、一部関節の腱の収縮などで吸収はされるが、骨はほとんど圧縮変形しないので、殆どがそのままロス無く足裏に伝わる。
ところが、「曲がった脚」に対して力をかけると、掛けた力のうち無視できない割合が、脚部に対する「曲げ力」として作用する。骨はやはり殆ど曲がらないが、その分関節、特に変形アーチの頂点に位置する膝関節が曲げ力をもろに受けることとなる。
膝関節の、曲げ力に対する抵抗力が無限大であれば(これを剛結合という)、これによる力の伝達ロスは無いが、そうでなければ上半身が与えた力のうち一定の割合は「脚を変形させる力」として消費されてしまう。極端な話、仮に膝関節が完全に自由回転する構造(ピン結合という)であれば、上半身が与えた力は全くスキーに伝わらない。
いずれにせよ、膝関節が全く変形(左右方向に回転)しない人などいない以上、曲げ力によって「スキーを雪面に押さえつける力」は失われる。そしてその分エッジングが弱くなる。
これが、X脚が滑りに与える不具合である、というのが私の現段階での考えだ。
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