デブは外向過多になりやすい?

2018年11月30日デブのスキー術

滑走するスキーヤーには、その質量に比例した慣性、すなわち直線運動し続けようとする力が働く。

スキーヤーがターンという曲線を描くのは、物体の運動の向きを変えようとする力を、足元のスキーを通じて外部から受けているからだ。

スキーヤーの質量が大きければ大きいほど、慣性によって直線運動し続けようとする力も大きく、運動の向きを変えるにはたくさんの力が必要になる。

とりあえず、「デブがターンするには大きな回転力(向心力)が必要になる」と言うことが言えそうだ。

ここでさらに、スキーヤーの体をトーションバーすなわち「ねじれる棒」として捉え、また上半分(上半身に相当)と下半分(下半身に相当)それぞれの質量分布に違いがある場合を想定してみる。

以下は全て仮説です。

※以下の説明に出てくる「軽い」「重い」という表現は、質量の大小を表します。

(1)上半分と下半分の質量が等しい場合

足元のスキーを通じて棒に伝わった回転力は、下から上に向かって時間的に均等に伝わっていく。すなわち、まず最初に最下部が回転を始め、棒の「ねじれ剛性」(弾力と言い換えてもいい)に従って徐々に上の方もねじれていく。

(2)下半分の質量が上半分より大きい場合

下から順に、ねじれながら回転力が上へ上へと伝わっていく点は(1)と同じ。ただし、最初に足元の重い部分が回転するのには多く時間がかかり、その後軽い上部にまで回転力が伝わり始めた後は、短い時間で最上部まで回転力が伝わる。

これを人にあてはめると、「下半身は回りにくく、上半身は回りやすい」ということになる。

(3)上半分の質量が下半分より大きい場合

(2)とは逆に、最初に足元の軽い部分が回転するのは短い時間しかかからず、その後重い上部が回転するのには長い時間が必要となる。

人に当てはめると、「下半身は回りやすく、上半身は回りにくい」ということになる。

デブは(3)に該当する。上半身デブ・下半身デブという表現があるが、下半身デブというときの「下半身」とは腰回りを指しているので、上半身デブであれ下半身デブであれ、実際には人体の比較的高い部分の質量比率が大きい構造なので、デブはひとまとめに(3)のモデルに近いと言って良いと思われる。

「下半身が回りやすく上半身が回りにくい」これはスキーで言うところの外向過多を誘発する特性だ。実際デブである私は外向過多を指摘されることが多く、「スキーが回っているのに腰がそれについて回っていかない」、いわゆる腰外れも頻繁に指摘されてきた。反対に、初級者の頃から現在に至るまで、ローテーションを指摘されたことはほとんど無い。

外向過多へのカウンターアクションとして、ターンの入りで外腰を「振り込む」ように前に出すことで幾分外向過多・腰外れが解消されてきた。一般にはあまり推奨されない運動だと思うが、体型が「一般」から外れているならば、あえて取り入れることも必要な場合もある、と学習した事例だった。

デブは、「足元からの回転力が上半身に伝わりにくい」ことを意識して、ローテーションを恐れず、積極的に腰から上を回していくようにするといいかもしれない。

2018年11月30日デブのスキー術